美容・睡眠

【2023年最新版】科学によって証明された「良い睡眠」をとるべき理由

睡眠に関する誤った常識

睡眠における論文の紹介

睡眠時間と死亡リスクの関連について(がん対策研究所)
寝不足の人は体調を崩して病気になってしまう傾向が強いと思いがちだが、睡眠時間が長ければ長いほど男女ともに死亡率が増加しているという研究がある

なぜ睡眠を取らなければならないのか

疲労回復

睡眠は疲労回復を促すためにとても重要です。

疲労には、末梢性疲労と中枢性疲労の二種類があります。末梢性疲労は身体を動かしたりすることで、筋肉を動かすためのエネルギーが不足することによって引き起こされる疲労であり、中枢性疲労は様々な状況において感じる精神的ストレスや、デスクワークなどによる眼精疲労などによって引き起こされる疲労のことです。

睡眠中、昼間に比べて成長ホルモンが多く分泌されます。この成長ホルモンは、筋肉や内臓などのダメージを回復し、疲労回復に繋がる重要なホルモンです。睡眠は脳や身体の休息の時間であるため、疲労を感じていなくてもしっかりとした睡眠をとることが重要です。

免疫機能の増加

ヒトの体には免疫記憶という機能が備わっています。

これは初めて感染したウイルスや細菌などを記憶することで、再度同様のウイルスや最近に感染した時に、初回よりも早く病原体を攻撃します。この機能によって、発症しなくなることや、発症しても症状が軽く済むのは、この免疫記憶という機能があるためです。

睡眠時間の長さは、免疫機能に大きな影響を与えます。免疫システムの要として活動する細胞やリンパ球は夜中に活発になります。またリンパ球などを生み出すメラトニンは睡眠時に多く分泌されるため、睡眠が十分でない場合、免疫機能に影響が出るかもしれません。

記憶の固定と忘却

脳は睡眠中に、活動中に記憶した内容の整理や必要な情報の定着を行い、必要でない記憶を排除するという活動を行っています。

記憶と睡眠には深い関係があり、レム睡眠とノンレム睡眠はその関係において異なる役割を持っています。レム睡眠の時は記憶の形成を図る活動が脳内で行われており、同時にその人にとって好ましくない記憶の忘却という働きも行っています。

ノンレム睡眠時には、記憶を脳内に固定化する働きがあり、ノンレム睡眠の時に出る脳波のデルタ波と低振動波は、記憶を弱める働きがあるため、記憶の忘却を手助けする役割があります。

ストレス解消

日中に感じるストレスは、睡眠によっても解消されます。

人は心理的ストレスを感じると交感神経が優位になります。感情は脳における大脳辺縁系で生まれます。そこで生まれた心理的ストレスが、自律神経の中枢である視床下部に伝わり、交感神経を刺激します。

夜の時間帯になると副交感神神経が優位になり、身体はリラックスのモードに入ります。そのため、睡眠は交感神経の働きを抑え、副交感神経を優位にすることで、感じた心理的ストレスを解消することが期待できます。

〜睡眠の質=人生の質〜質の悪い睡眠は及ぼす影響

・高血圧症、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病や各種がんにかかりやすくなる
・高血糖やインスリン抵抗性(インスリンに対する感受性が低下し、インスリンの作用が十分に発揮できない状態)につながる
・記憶力や判断力、集中力が低下する
・気分が落ち込んでうつ病になるリスクが高まる
・ストレスが増大する
・本来は夜間になると副交感神経が優位になり、身体をリラックスさせて休ませる状態に入ります。
・免疫力が低下する

睡眠の科学的なメカニズム

睡眠欲求と覚醒力

体内時計とメラトニンの分泌量から、人の体内で睡眠欲求と覚醒力が拮抗し合って、人の睡眠を作っている

レム睡眠とノンレム睡眠

90分周期のレム睡眠とノンレム睡眠について解説

睡眠時間は短くても長くても良くない

死亡リスクが一番低い睡眠時間は7時間。ただ3時間よりも10時間の方が死亡リスクが高い

年齢による睡眠時間の変化

年齢によって必要な睡眠が異なる

朝方と夜型は生まれつき

体内時計に関係した遺伝子によって朝が得意か否かが決まるらしい

季節によっても睡眠時間は変化する

日の短い期間は睡眠が長くなりやすくて、日が長い期間は睡眠時間が短くなりやすい

睡眠の質を高めるために有効なこと

副交感神経を優位にする

身体を温める

寝る時の環境を整える

スマホの光などの刺激を与えない、季節によって寝る時の気温を変えて、部屋は極力真っ暗。

ゴールデンタイム

睡眠に有効な成分を摂取する

睡眠における論文の紹介

健康的な睡眠を確保するための生活術(厚生労働省)

生活習慣マネジメントの必要性や良好な睡眠のための環境づくりの重要性などが記載されているため、それらを記載

食生活でマウスの睡眠障害が改善

食事によって睡眠障害の照応が見られたマウスの夜間の活発量が低下した
→食生活によって、ヒトの睡眠の質を改善できるかもしれない

排除すべき「良い睡眠」を阻害する要因

夜遅くの電子機器の操作

日常の生活であふれる電子機器は、睡眠に悪影響であることが多いため注意が必要です。

人は暗い場所では眠くなり、光を知覚すると覚醒してしまうという特徴があります。これにはメラトニンというホルモンが関わっています。メラトニンは暗い場所において分泌量が増加し、体温や脈拍を低下させ身体をリラックス状態にして、睡眠を誘います。

しかし、メラトニンは強い光を浴びると分泌量が減るという性質があります。そのため、電子機器によって強い光を寝る前に浴びると、脳が昼間であると錯覚し覚醒してしまいます。また、スマートフォンなどから発せられるブルーライトが、視細胞を刺激してしまい、体内時計を狂わせてしまうため、睡眠に入れなくなることや、深い睡眠に入れないといった問題が起きてしまいます。

夜間のランニングや筋トレ

朝は弱いため、夜の涼しくあまり人のいない時間に運動するという人や、夜に運動をした方が深い眠りにつけると思っている人は多いのではないでしょうか。

人の体の機能として、睡眠時には体温調節という機能を通して睡眠に適した温度まで体温を下げる必要があります。しかし寝る前に運動を行った場合には、体温を下げる機能が睡眠時までに間に合わなくなってしまい、深い睡眠が得られなくなってしまいます。

おすすめは午前中の運動で、アパラチア州立大学の研究によると、午前中に運動を行ったグループが、午後に運動を行ったグループよりも睡眠時間が長く、深い睡眠をとることができたと報告されている。運動をしようと思っている方には、ぜひとも午前中の運動を推奨したい。

カフェインやアルコールの摂取

カフェインの効果の一つとして覚醒作用があります。カフェインを摂取すると、神経や循環器を興奮させ、心拍数を増加させる効果や、末梢血管を拡張させ血流を促す作用があり、これは交感神経が優位になった場合と似ているため、脳が覚醒されてしまい、睡眠の阻害となってしまいます。

また、アルコールは寝つきを良くしてくれる効果があるとされることもありますが、その効果はあまり期待はできません。アルコールを摂取した場合、一時的に寝付きは良くなりますが、その効果は次第に薄れ、睡眠の質を低下させます。結果、中途覚醒(夜中に目覚め、再び寝付けなくなってしまうこと)を増加させてしまいます。

カフェインやアルコールを日常的に摂っている人は多いと思いますが、深い睡眠にとって阻害になるため、寝る前に飲むのを控えることを推奨します。

ストレス

ストレスは、深い睡眠を阻害する要因となります。

通常、日中は脳が活発的になり心臓は脈拍と血圧が上昇します。イメージとしては興奮している猫が良い例です。常にこの状態になっているわけではありませんが、日中は活動的になるため、交感神経が優位になります。反対に夜は、副交感神経が優位になります。副交感神経が優位になると、身体がリラックス状態になり、心臓の脈拍や血圧は安定していきます。

しかしストレスは交感神経を刺激してしまうため、夜であっても交感神経が優位になってしまう場合があります。その場合、副交感神経が優位にならず、身体がリラックス状態にならないため、睡眠に入れなくなる場合や、睡眠に入ったとしても深い眠りにつけなくなってしまいます。

ストレスを感じないようにすることは難しいですが、良い睡眠のためにも、ストレスを軽減する対策を行うことをおすすめします。
良い睡眠を確保する習慣を作りましょう

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