微量ミネラルとは
私たちの体に必須とされるミネラルは16種類あり、1日の摂取量がおよそ100mg以上の主要ミネラルと、100mp未満の微量ミネラルに分類することがあります。主要ミネラルはカルシウム・リン・イオウ・カリウム・ナトリウム・マグネシウム・塩素の7種類、微量ミネラルは鉄・ヨウ素・亜鉛・銅・セレン・マンガン・コバルト・モリブデン・クロムの9種類です。ミネラルは体内では合成できないため、食事から摂取する必要があります。スピルリナに豊富に含まれている微量ミネラルである、鉄・亜鉛・銅・セレン・マンガン・クロムを紹介していきます。
微量ミネラル
鉄
鉄分はからだの中に約3gあるといわれています。そのうち約65%は血液中のヘモグロビンの構成成分となり、酸素運搬という重要な役割を果たしています。
食品中に含まれる鉄分は、ヘム鉄と非ヘム鉄とに分けられます。たんぱく質と結合しているヘム鉄は肉や魚などの動物性食品に多く含まれています。ヘム鉄以外の無機鉄を非ヘム鉄と言い、こちらは植物性食品に多く含まれています。鉄分が不足すると鉄欠乏性貧血になります。貧血になるとからだが重い、息がきれる、顔色が悪い、疲れやすいと感じるようになります。貧血予防のためには、鉄分だけを補えばいいというわけではありません。ヘモグロビンは鉄とたんぱく質が結合してできています。そのためたんぱく質も摂取する必要があります。
亜鉛
亜鉛は成人の体内に約2g含まれます。成人ではそのほとんどは筋肉と骨中に含まれますが、皮膚、肝臓、膵臓、前立腺などの多くの臓器に存在し、さまざまな酵素の構成要素となっています。亜鉛が不足すると、たんぱく質やDNAの合成がうまく行えなくなり、成長障害が起こります。また、亜鉛は味を感じる味蕾細胞の産生に必須であるため、亜鉛不足になると味を感じにくくなる味覚障害になる可能性があります。亜鉛不足によるほかの症状として、貧血、食欲不振、皮膚炎、生殖機能の低下、慢性下痢、脱毛、免疫力低下、低アルブミン血症、神経感覚障害、認知機能障害などのさまざまな症状が現れます。
銅
銅は成人の体内に約70から100mg含まれます。骨、骨格筋に約50%、肝臓中に約10%存在するほか、血液、脳などに存在しています。銅は約10種類の銅依存酵素の活性中心にあり、エネルギーの生産や鉄の代謝、コラーゲン、エラスチンの成熟、神経伝達物質の生産、活性酸素の除去などの働きをしています。銅が不足すると、貧血、骨異常、毛髪異常、白血球減少、好中球減少、心血管系や神経系の異常、成長障害などです。また先天的な銅代謝異常であるメンケス病では、血液中や、脳や肝臓の銅が減少し、その結果、知能低下、発育遅延、中枢神経障害などの症状が現れます。
セレン
セレンは肝臓や腎臓に含まれ、過酸化水素やヒドロペルオキシドを分解するグルタチオンペルオキシターゼの構成成分で、ビタミンEやスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)などと 共に、抗酸化システムに重要な役割を担っており、生活習慣病の引き金になる活性酸素の発生を抑制し、細胞組織の酸化や老化を防ぐ働きがあります。
また、血圧をコントロールする「プロスタグランジン」の生成にも関与したり、カドミウム、水銀、ヒ素などの有害重金属の毒性を軽減する働き、精子の形態維持などの作用もあります。セレン欠乏として、克山病(心筋症の一種)やカシン・ベック病(骨関節症)が知られています。また、過剰に摂取すると、爪の変形や脱毛が起こることがあります。
マンガン
マンガンは成人体内に約10mgしか含まれていませんが、肝臓、膵臓、腎臓、毛髪などに存在しています。骨の発育に重要なミネラルであるほか、糖脂質代謝、運動機能、皮膚代謝などの多くの酵素反応に関与しています。骨の石灰化を促す働きがあり、カルシウム、リンとともに、骨の形成に関わっています。
クロム
クロムはすべての細胞に含まれ、炭水化物や脂質の代謝を助ける重要なミネラルです。正常な糖代謝、脂質代謝を維持するのに重要かつ必須なミネラルですが、加齢とともに減少してしまいます。血糖値の調節に対する作用が有名で、糖尿病、高脂血症、動脈硬化などの、生活習慣病予防に効果があると期待されています。クロムが欠乏すると、インスリン作用が低下し、耐糖能も低下すると考えられています。
微量ミネラルは摂りすぎてしまうと免疫の低下や体の不調が起こってしまいます。しかし、摂りすぎの目安とされている数値は、推奨摂取量の100倍以上とされています。そのことから、普段の食事やサプリメント服用によって、微量ミネラルの摂りすぎは起こらないと言っても過言ではありません。日本人が平均的に摂取できている微量ミネラルは、むしろ推奨量より少ないということが分かっています。前述したとおり、ミネラルは体内で合成することができません。積極的に食事やサプリメントで摂取することをお勧めします。
微量ミネラルが豊富に含まれている食材
マンガン
香辛料、緑茶、藻類、穀類などに多く含まれています。他には、種実類、豆類、小魚にも多く含まれます。
マンガンが豊富に含まれている食材100gの含有量は、
香辛料類クローブ粉:93.00㎎
茶類緑茶類玉露:71.00㎎
茶類緑茶類せん茶:55.00㎎
セレン
魚介類や、肉類に多く含まれています。他には、卵、種実類、きのこ類にも多く含まれます。
セレンが豊富に含まれている食材100gの含有量は、
かつお節:320㎍
からし:290㎍
ぶたのじん臓(まめ):240㎍
クロム
藻類、調味料、きくらげなどのきのこ類に多く含まれます。他には、魚介類、肉類、卵、穀類などにも多く含まれます。
クロムが豊富に含まれている食材100gの含有量は、
あおさ 160㎍
アサイー 60㎍
バジル 47㎍
※単位㎍は100万分の1グラムを表します。
サプリメントで補おう
日本人は平均的に微量ミネラルの摂取量が足りていないこと、体内で合成されないことから、食事で摂取しないといけないことを知っていただけたと思います。しかし、日々意識して上記のような食材を摂ることが難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。そこで是非おすすめしたいのが、サプリメントによる摂取です。
今回特におすすめしたいサプリメントは、「スピルリナ」を使ったサプリメントです。スピルリナとは藻の一種で、近年スーパーフードとして注目されはじめています。このスピルリナには、今回紹介した微量ミネラルのほかにビタミンB群や必須アミノ酸など不足しがちな多くの成分、栄養素が豊富に含まれています。この機会に、ぜひ試してみてはいかがでしょうか?