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フコイダンとは

フコイダンとは?

フコイダンは、古代中国や日本の古典文献において、海藻、特に褐藻類に含まれる滑り成分として認識されていました。フコイダンは海藻の特有なヌメリ成分で、ワカメなどの海藻の細胞壁に存在し、多くの生物学的活性を持つことが知られています。海藻の細胞壁に存在する水溶性多糖で、その構造は種によって異なりますが、一般的にはグルコース、マンノース、ガラクトース、ウロン酸などの糖モノマーを含むα-フコピラノース骨格で構成されます。フコイダンは抗がん剤、抗酸化剤、抗ウイルス剤、心臓保護剤など、さまざまな場面で生物学的活性を示すことが分かっています。特に、がん細胞のアポトーシス(細胞の自死)の増強や抗凝固活性が注目されています。フコイダンの抗ウイルス活性は、硫酸化の程度、分子量、種、糖骨格などの要因に依存しており、特に高硫酸化フコイダンが強力な抗ウイルス効果を示すことが報告されています。更に、フコイダンは抗炎症特性も持ち、炎症酵素や炎症性メディエーター(伝達物質)の産生と放出を阻害することが示されています。硫酸塩含有量の高いフコイダンや高フコース骨格を持つフコイダンが特に抗炎症活性が高いとされています。よって、製薬、食品、化粧品産業に活用されています。

多糖類とは?

多糖類とは、10種類以上の糖が結合している物を指します。多糖類は私たちの生活に幅広く利用されており、増粘、ゲル化、安定化の3つの目的で使用されています。例えば、ソースやドレッシングのとろみづけ、化粧品の肌触り改善、ゼリーの作成、ボールペンインクの分散安定性向上、塗料のタレ止め性向上などがあります。最近では嚥下困難者用食品においても多糖類が急速に拡大しており、食品の飲み込みやすさを向上させるためにトロミづけやゲル化に利用されています。多糖類の種類と起源は、植物由来、海藻由来、微生物由来に大別され、それぞれ異なる特性を持っています。多糖類は電気的性質によっても分類され、酸性多糖類、中性多糖類、塩基性多糖類に分けられます。多糖類は親水性が高く水を強く保持する性質を持っており、これにより増粘、ゲル化、保水性向上、使用感の改善などの効果が得られます。多糖類は粉末として製品化されており、水や他の溶媒に分散・溶解して使用されます。多糖類は私たちの日常生活に深く根付いており、食品から化粧品、工業製品までさまざまな分野で利用されています。フコイダンは、海藻由来の塩基性多糖類です。

フコイダンが豊富な食材

1位:もずく(フコイダン含有量約250g/kg)
2位:めかぶ(フコイダン含有量約100g/kg)
3位:昆布(フコイダン含有量約40g/kg)
4位:わかめ(フコイダン含有量約15g/kg)

海藻はフコイダンを摂取する良い食材であり、特にもずくとめかぶは調理が必要ないため簡単に食事に取り入れることができます。味噌汁やサラダなどに利用することで、フコイダンを効果的に摂取できます。上の表のとおり圧倒的にモズクの含有量が多いことが分かります。スーパーなどで購入することができ、非常に身近な食材ですよね。毎日の食事に少し、海藻を足してみてはいかがでしょうか。

効果的な摂取方法

フコイダンは、熱に強い、酢(酸性)と相性が良い、水に溶けやすいという特徴があります。汁物やスープなど、水を使った料理に適しています。また、高温の調理にも耐えることができるため、天ぷらや揚げ物などのメイン料理に利用することができます。そして、酢や酸味のある調味料を使った料理やドレッシングと相性が良く、海藻サラダなどに活用できます。特にお勧めしたい食べ方は、汁物やスープにモズク、ワカメ、アカモクなどを具材として使用し、フコイダンが溶け出た汁も一緒に摂る方法です。フコイダンは海藻類に多く含まれていますが、全ての海藻に含まれている訳ではありません。代表例を挙げると、日本人にとても身近な海苔です。

ネバネバパワーを感じよう

ここまで、海藻のネバネバのもとであるフコイダンについて説明してきました。皆さんに少しでもフコイダンを知っていただけたらと思います。説明した通り、フコイダンには非常に多くの生理的活性効果があります。太らないから、なんとなく体によさげだからと摂取していた方もいらっしゃると思います。実は、こんなに素晴らしい成分が含まれているんです。海藻が苦手な方や、毎日食べるのは大変という方におススメしたいのがサプリメントです。最近では、フコイダン単体のサプリメントなども販売されていますが、今回は様々な成分が含まれているサプリメントをおススメしたいと思います。その理由は、フコイダンの成分をより効果的に、効率的に摂取することができるからです。複合サプリメントには相乗効果のある成分が多数含有しており、単体で摂取する何倍も効果的です。この機会に海藻のネバネバパワーを感じてみませんか。

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