食・栄養

抗酸化物質 種類

「抗酸化」とは

「抗酸化」とは、体が酸化することを抑制する働きを指し、通常よりも活性化した酸素を「活性酸素」と呼びます。この活性酸素が体に悪影響を及ぼさないよう、抗酸化は活性酸素の働きを阻害します。カラダが酸化すると、老化や血管の老化、シミ、シワ、肌あれなどのトラブル、生活習慣病、がんの原因となる可能性があります。抗酸化はこれらのトラブルを予防し、エイジングケアにも重要です。活性酸素は細胞や組織に対して酸化的損傷を引き起こすため、抗酸化は健康維持や病気の予防に寄与します。

活性酸素とは

「活性酸素・フリーラジカル」とは、本来体内の代謝や細胞の機能に必要な分子であり、通常の酸素よりも反応性が高まったものです。しかし、不健康な生活習慣、偏った食事、ストレス、病気などにより、過剰に生成されると、細胞が損傷され、早期の老化や病気の原因となってしまいます。

主に、老化、動脈硬化、皮膚の変形(しわやしみ)、脳神経疾患、眼疾患、呼吸器や循環器系の障害、消化器の病気、腎臓疾患、糖尿病、アレルギー、免疫不全、発癌などを引き起こす可能性があります。

活性酸素が過剰に生成される原因は数多くありますが代表例として、激しい運動、過剰なアルコール摂取、喫煙、ストレス、不規則な生活、偏った食事、紫外線の過剰な曝露、特定の薬物摂取、環境汚染などが挙げられます。自分の生活習慣を見直してみましょう。

身体に害のある活性酸素が注目されがちですが、活性酸素には種類があり、白血球などが生み出すものは免疫機能において重要な役割を果たしています。当然、一般的な活性酸素と同様に、過剰になると細胞傷害を引き起こす可能性があります。一般的な活性酸素が悪影響をもたらす一方で、免疫機能に役立つ活性酸素があることも知っておきましょう。ただ、減らせばいいという考えは危険です。

抗酸化物質とは

抗酸化物質とは、身体内で発生する活性酸素と相互に作用して、安定な分子に変えたり、活性酸素の生成を抑えることで、酸化による損傷を軽減する役割を果たします。主に食べ物やサプリメントから取り入れることができ、体内の酸化ストレスを和らげ、健康をサポートしてくれます。

抗酸化物質は、活性酸素が引き起こす老化や疾病を防ぐ役割を果たし、がんや動脈硬化などの病気や老化の予防をしてくれる物質です。活性酸素に対抗して身体を保護する重要な働きをしてくれます。特に細胞や組織を保護する効果があります。

抗酸化物質の種類

ビタミンA

視力や免疫機能の維持に重要な役割を果たす脂溶性ビタミンです。
主にレバー、にんじん、かぼちゃ、ほうれん草などに含まれています。

抗酸化作用以外の効果

視力の維持

ビタミンAは視覚に不可欠で、視細胞の一部である視紫細胞(ロドプシン)の構成要素です。不足すると夜盲症や失明のリスクが高まります。

皮膚の健康

ビタミンAは、皮膚の再生や修復に関与しており、健康な皮膚を維持します。

免疫機能のサポート

免疫細胞の正常な機能に寄与し、感染症から身を守るのに役立ちます。

不足すると?

ビタミンAの不足は夜盲症(暗い場所での視力低下)や乾燥性角膜炎などを引き起こす可能性があります。

ビタミンC

抗酸化作用があり、コラーゲン合成や免疫機能の維持に寄与する水溶性ビタミンです。
オレンジ、イチゴ、ブロッコリー、トマトなどに含まれます。

抗酸化作用以外の効果

コラーゲン合成

コラーゲンは皮膚、骨、軟骨、血管などの結合組織を構成しており、ビタミンCはコラーゲンの合成に不可欠です。これが皮膚の健康や傷の治癒に影響を与えます。

免疫機能の向上

ビタミンCは白血球の機能をサポートし、免疫機能の向上に寄与します。風邪や他の感染症から身を守る役割があります。

不足すると?

ビタミンCの不足は壊血病(くれぐれもれ)、歯肉出血、疲労感などを引き起こす可能性があります。

ビタミンE

抗酸化作用があり、細胞膜を酸化から守る脂溶性ビタミンです。
ひまわりの種、アーモンド、ほうれん草などに含まれます。

抗酸化作用以外の効果

免疫機能のサポート

免疫機能を強化し、感染症などから身体を守る役割があります。

血液循環のサポート

血液中の酸化を防ぎ、心臓血管系の健康をサポートします。

不足すると?

神経障害や免疫機能の低下、貧血などの症状を引き起こす可能性があります。

コエンザイムQ

ミトコンドリア内でエネルギー生産に関与する抗酸化物質です。
肉、魚、堅果、大豆油などに含まれます。
エネルギー生産への寄与、細胞の健康維持、ATPの生成に寄与します。

抗酸化作用以外の効果

疲労感、筋肉の弱さ、免疫機能の低下、心臓の問題が発生する恐れがあります。

カロテノイド

植物に存在し、抗酸化作用や抗炎症作用があるポリフェノールです。
茶葉、赤ワイン、シトラスフルーツなどに含まれます。
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イオウ化合物

イオウを含む化合物で、体内の代謝に関与します。
魚、にんにく、玉ねぎなどに含まれます。

グルタチオン (Glutathione)

三ペプチドで、アミノ酸のシステイン、グリシン、グルタミン酸から構成されています。
アボカド、スピナッチ、アスパラガス、にんにく、玉ねぎなどに含まれます。
抗酸化物質として、細胞内での酸化ストレスから細胞を保護し、他の抗酸化物質の再生を支援します。

アリル硫黄化合物

ニンニク、玉ねぎ、エシャロット、リーキなどのアリウム属の野菜に含まれています。
抗酸化作用や抗炎症作用があるとされています。

タウリン (Taurine)

アミノ酸の一種で、硫黄を含んでいます。
魚や肉、乳製品に含まれます。
抗酸化作用や心臓機能の調節に寄与します。

ジアリルトリスルフィド

にんにくに多く含まれる硫黄化合物です。
抗酸化作用や抗炎症作用があり、がんの予防にも関連する可能性があります。

生活習慣を見直してみよう!

タバコやアルコールの過剰摂取を避け、軽めの運動やストレス管理に心がけることが重要です。ビタミンC、ビタミンEを含むキウイ、イチゴ、トマトなどの食品を摂取し、ポリフェノールやβカロチンなど多様な抗酸化成分をバランスよく取り入れましょう。
色の濃い植物性食品には抗酸化物質が豊富なので、食事に取り入れることが大切です。
生活習慣を見直すことで、酸化ストレスを軽減し、健康な身体を保つことが可能です。

まとめ

抗酸化物質は、私たちの健康に対して重要な役割を果たす栄養素の一部です。食品中のビタミンC、ビタミンE、β-カロテン、硫黄を含む化合物など、多様な種類が存在します。これらの抗酸化物質は、体内の酸化ストレスから細胞を保護し、慢性疾患のリスクを低減させる力があります。
健康を維持するためには、バラエティ豊かな食品を摂り入れ、新鮮な果物や野菜、全粒穀物、健康的な油、ナッツ、種子などをバランスよく組み合わせることが大切です。加工食品や糖分の摂り過ぎには気を付け、適切な栄養バランスを意識しましょう。抗酸化物質を摂取し、健康な生活を実現しましょう。

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