ダイエット方法の代表例といってもいい、「カロリー制限」。
しかし正しいカロリー制限を行わないと、効果が得られないことや、反対に自身の体にとって悪影響となる可能性があります。
この記事では正しいカロリー制限や、行わない場合の危険性などについて解説していきます。
カロリー制限の基本
まずカロリーとは?
カロリーとは、食べ物や運動の熱量などを表現する「エネルギーの単位」のことです。
1cal(カロリー)は1gの水の温度を1℃上昇させるのに必要な熱量を意味します。
1000cal(カロリー)=1kcal(キロカロリー)となります。
カロリーには、食べ物によって体内に入る摂取カロリーと生命維持や運動などにより消費される消費カロリーがあります。
食べ物の中でカロリーを持つのは、「炭水化物」「たんぱく質」「脂肪」の3つだけです。ビタミンやミネラルなどにはカロリーは含まれていません。
それぞれのカロリーは
「炭水化物」: 1gあたり4Kcal
「たんぱく質」:1gあたり4Kcal
「脂肪」:1gあたり9Kcal
つまり炭水化物を1g食べるのと脂肪を1g食べるのとでは体内に蓄積されるエネルギーが違うということです。
摂取カロリーと消費カロリーの関係は、摂取量が消費量を上回った分が体に体脂肪として蓄積されます。
動いて使ったカロリーより、食べたカロリーが多いと太るということです。
「カロリーが高い」と聞くと、ついつい悪者のように考えてしまいますが、歩く・重い物を持つなど体の活動や、読む・考えるなど頭の活動、また、何もせずにいる時でも、脳や心臓が活動しているため、カロリーは必要です。カロリーは生きていく上で必要不可欠なものなので、「とりすぎ」「とらなさすぎ」に注意して、バランスをとることが大切です。
正しいカロリー制限は?
正しいカロリー制限のメリットは、適切なカロリー摂取量を保ちながら体重をコントロールし、健康的なダイエットを実現することができる点にあります。
過度なカロリー制限ではなく、自身の身体に必要なエネルギー量を把握し、栄養バランスを考慮した食事を摂ることで、無理なく体重を減らすことができ、また、健康を維持しながらリバウンドを防ぐことも可能です。
適切なカロリー制限は、体脂肪を減らし、心臓病や糖尿病などの生活習慣病のリスクを低減させる効果もあります。健康的なカロリー制限は、食事管理の重要性を理解し、持続可能なダイエットを実践する上で有益であり、身体と心の健康を促進します。
カロリーコントロールの裏技
肉や魚は部位と調理法にこだわる
カロリー制限中であっても、肉や魚などのたんぱく質はしっかりとりたいところ。それでもしっかりカロリーコントロールするには、部位と調理法にこだわるのがポイントです。
豚肉や牛肉ならロースではなくヒレ、鶏肉ならモモ肉よりムネ肉を意識しましょう。調理法では「揚げ物」は避け、迷ったら「生」(食材によっては生は食べられないが)か「焼き」「ゆで」「蒸し」料理を選びましょう。具体的には、唐揚げではなく焼き鳥、とんかつよりは赤身肉のステーキのほうがカロリーを抑えることができます。
野菜を2皿食べてから食事をする
食事の最初に野菜をたっぷり食べる「ベジタブルファースト」。
血糖値の上昇を緩やかにして脂肪の蓄積を防ぐほか、食べ過ぎを防止する効果がありますが、外食でも家食でも「野菜を2皿以上食べてから」をルールにするとダイエット効果がさらにアップします。生野菜を1皿、加熱した野菜料理を1皿という組み合わせでも大丈夫です。
ベジタブルファーストならぬ、「ソイ(大豆)ファースト」を取り入れるのもお勧めです。食事の前に、豆乳を飲んだり、豆腐を食べるだけ。大豆たんぱくは、臨床試験で脂肪を燃焼する効果が高いという結果が出ており、ダイエットの強い味方になってくれる。
おかずは、メイン1・野菜2の割合で盛る
ダイエットをするには、そもそも自分が食べている量をきちんと把握する必要があります。でないと、気付かないうちに食べ過ぎてしまうことも。特に、大皿に盛った料理を各自で取り分けて食べる場合は、お替わりなどをするうちについ食べ過ぎてしまうので要注意です。
こうしたことを防ぐには、自分の食べる量を最初に決めて1つの皿に盛り、それだけを丁寧に食べるようにするのがいいです。その際、メインのおかずと野菜のおかずを1:2の割合で盛ると、食事全体のカロリーを抑えやすく、1食分の栄養バランスも自然と整いやすくなります。
早食いを止めよう
いつも時間に追われる生活で、早食いの習慣が染みついている人は、それこそが太る元凶だと自覚するべきです。早食いは、血糖値の急上昇を招いたり(脂肪を蓄積しやすくする)、満足感が得られず食べ過ぎの原因にもなる。ダイエット中は、ゆっくり食べることを習慣にしましょう。
テレビやスマートフォン画面を見ながらの食事、そばや丼ものだけの食事なども早食いにつながりやすい。味わって食べることを意識しましょう。
正しいカロリー制限を心掛ける
カロリー制限のデメリット
カロリー制限は体重減少をもたらす可能性がありますが、極端な制限は栄養不足や健康リスクを引き起こす可能性があります。
例えば、過度な制限は栄養バランスを乱し、貧血や骨粗鬆症などの健康問題を招く恐れがあります。また、代謝が低下し、筋肉の減少や倦怠感、心臓や臓器の機能への影響も懸念されます。
さらに、免疫機能の低下や感染症への抵抗力の低下も考えられます。総じて、適切でバランスの取れたカロリー制限が重要であり、極端な制限は健康に悪影響を与える可能性があることを考慮する必要があります。
誤ったカロリー制限の危険性
正しいカロリー制限を行わないと、身体にさまざまな危険が及ぶ可能性があります。
例えば、過度なカロリー制限は栄養不足を招き、貧血や骨粗鬆症などの健康問題を引き起こす可能性があります。さらに、極端なダイエットは代謝を低下させ、体脂肪の減少とともに筋肉も失われる恐れがあります。
これにより、倦怠感や筋力低下、さらには心臓や臓器の機能にも影響を及ぼすことがあります。また、過度なカロリー制限は免疫機能を低下させ、感染症への抵抗力が低下する可能性もあります。
総じて、正しいカロリー制限を行わない場合、身体への悪影響が生じ、健康リスクが高まることが懸念されます。
カロリー制限をしているのに痩せない?
カロリー制限をしているのに痩せない原因は多岐にわたりますが、主な要因としては、①カロリー摂取量が実際に必要な量よりも多い場合や、栄養バランスが悪く、体がカロリーを消費しないように働く可能性があることが挙げられます。
体の栄養が不足している場合、人の体は生命活動を維持するためにできるだけカロリー消費を抑えようと働きます。摂取している栄養バランスが悪い場合、消費カロリーが減少している場合があります。
次に、②カロリー制限によって筋肉が落ちやすくなり、基礎代謝が低下して痩せにくくなることも挙げられます。基礎代謝は、人間の一日に消費するカロリーの約7割を占めます。基礎代謝が落ちるだけで、消費カロリーが減少し、痩せにくくなってしまいます。
他にも様々な要素が挙げられますが、これらの要因が組み合わさることで、カロリー制限をしていても痩せない場合があります。
まとめ
この記事では、ダイエットのためのカロリー制限の説明を行いました。
カロリー制限を正しく実践しない場合、様々な症状が引き起こされたり、多くのデメリットがあります。
正しい知識を身につけて、正しい方法を実践することで大きな効果が得られる可能性のある方法なので、出来るところから確実に実践してみてください。