食・栄養

イチョウとギンコライドとは

イチョウ葉エキスについて

イチョウは生きた化石とも呼ばれる古くから知られる植物で、独特の特徴を持ち強力な生命力を持つイチョウの葉から有効成分を抽出したエキスです。
イチョウ葉エキスには、血管を拡げて血流を改善する作用があります。
血流は健康の根底にある重要因子であり、肩こりや冷え症、脳梗塞や認知症の予防・改善の効果も期待されています。
イチョウ葉エキスとは、イチョウの青葉を乾燥させてアルコールで抽出された成分を指します。ポリフェノールの一種であるフラボノイドと、強力な抗酸化作用を持つギンコライドを含んでいます。イチョウは、約2億5千万年前から存在していたといわれる植物で、ジュラ紀に最盛期を迎えていたとされています。千年以上の樹齢をもつ生命力の強い木です。原産地は中国であるとされており、日本でも昔から神社や寺院、街路樹などで栽培されています。日本には、平安時代に僧侶とともにもたらされたと言われています。現在の地球上に存在しているイチョウの多くは移植されたもので、中国の浙江省に唯一の自生しているイチョウが現存しています。注目すべきはそのイチョウの植物としての特殊性であり、現在地球上にイチョウと似た植物は存在していません。イチョウ葉の有効性と成分の研究を一番最初に行ったのはドイツだったとされており、その後ヨーロッパに広まったとされています。イチョウ葉エキスの主に注目される成分は、フラボノイドとギンコライドの2種類があげられます。フラボノイドに関しては別記事にて説明しておりますので、本記事では割愛させていただきます。

イチョウの健康に対するメリット

イチョウ葉エキスは脳や血管に対する効果で広く知られていますが、その効果は血流を改善する効果に起因します。
イチョウ葉エキスの血流改善効果は3つの作用の相乗効果によって作用します。
①血管を拡張する作用②血小板の凝集を抑制する作用③活性酸素の生産を抑制する作用の3つです。
血管を収縮させるトロンボキサンA2の働きを抑制する効果があり、動脈や気管支の収縮を妨げ血管を拡張させる働きがあります。
また、血小板を凝集させるPAF(血小板活性化因子)の効果を妨げる働きがあります。
PAFの効果で,血液中の水分が減少することで血液が濃くなり粘度が高まるため血流の悪化へとつながります。イチョウ葉エキスは、PAFの活性を抑制して血小板の凝集などを防ぐことができます。
悪玉コレステロールが酸化することにより、血液がどろどろになる大きな原因になります。更に、悪玉コレステロールが血液の壁にくっつく事により動脈硬化を引き起こします。イチョウ葉エキスは、強い抗酸化効果を持っており悪玉コレステロールを酸化させる元である活性酸素を減少させてくれます。

イチョウ葉エキスは血流を改善するだけでなく、アルツハイマー認知症の予防に非常に有効であるということが分かっています。アルツハイマー認知症の原因となる特異なタンパク質の生成を阻害することが分かっています。

ギンコライド

ギンコライドとはイチョウ葉エキスの香り成分で、ヨーロッパでは医薬品として扱われています。イチョウ葉エキスに含まれる香り成分で人体に必須ではないがとても有効な成分です。非常に強力な抗酸化作用を持ち、血流の改善や認知症の予防、アレルギー症状を緩和する効果があります。ギンコライドは、植物が自衛するために作り出す物質の1種でありイチョウ特有の成分です。イチョウ葉エキスは、イチョウから抽出されたエキスのことで、フラボノイドやカテキンなどのポリフェノールに加えて、20種類以上の有効成分を含んでいます。ギンコライドは、強力な抗酸化作用を持っています。活性酸素は人体に必要な成分ですが、増えすぎると体内の脂質やたんぱく質、細胞、DNAなどを攻撃し、老化や生活習慣病に罹る原因となってしまいます。活性酸素は呼吸や紫外線、ストレスなどで簡単に増えてしまう物質のため、活性酸素を減らす抗酸化は非常に重要な作用です。
ギンコライドの抗酸化作用は脳により作用し、脳細胞を活性酸素から守る働きがあります。それ以外にも、女性ホルモンの分泌を促す作用があるといわれており、認知症の予防や、女性特有の身体的、精神的な悩みに効果があります。上記で挙げた、イチョウ葉エキスの効果のほとんどがこのギンコリドに起因しています。非常に強く、優秀な成分です。また、ギンコリドのように人体に必須ではないが、重要な役回りをする成分のことをファイトケミカルと言います。野菜や果物の色素や香り、辛味、苦味などに含まれる機能性成分のことであり、免疫力向上、老化抑制、肥満予防といった、健康に生きる手助けをしてくれます。

イチョウの健康に対するデメリット

イチョウに含まれるギンコール酸は、イチョウの種子や、イチョウの葉にも少量含まれている有害な成分です。ギンコール酸は非常に強烈なにおいと細胞毒性、神経毒性があります。イチョウの葉や銀杏を触って手がかぶれるのはこのギンコール酸によるものです。
この特殊な自衛システムがあるおかげでイチョウは絶滅せずに済んだのかもしれません。
ギンコール酸のほかにも、イチョウ葉エキスの過剰摂取には気を付けなくてはいけません。
胃のむかつきや吐き気、便秘も確認されており、さらにはアレルギー性皮膚反応という形での皮膚の発疹やかゆみの症例が報告されています。軽度の症状であるため大きな問題にはならないと考えられますが、サプリメントを服用する際は目安量をよく読んで飲むことを強くおススメします。

長寿木の力を試しませんか?

ここまでイチョウ葉エキスについて説明してきました。その特殊さと健康に対する有効性を理解していただけたと思います。非常に強力で有効ではありますが、有毒成分が含まれていたりと扱いの難しい成分です。イチョウ葉を拾ってきて自分で摂取することは絶対にやめてください。こんなに良い成分が含まれているから摂取したいという方には、サプリメントがおススメです。サプリメントではギンコール酸をはじめとする、有害成分が完全に除去されたものがほとんどです。ぜひ、2億5000万年前から続くイチョウの力を試してみてはいかがでしょうか。

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