摂取カロリーを減らそうとして、朝ごはんを抜いてはいませんか?
そのような習慣は、ダイエットにとって、むしろ逆効果と言えます。朝ごはんにはどのようなメリットがあるのか、ダイエット中の朝ごはんのポイントやおすすめのメニューなどを紹介します。
朝ごはんを食べるメリットは?
ダイエットをしている人のなかには、朝ごはんを抜いている人もいるようです。
でも、朝ごはんは食べたほうがいい理由があります。それは、次のようなメリットがあるからです。
筋肉の減少を防ぎ、基礎代謝を下げない
基礎代謝とは、体温を保ったり、呼吸をしたり、生命を維持するために使われるエネルギーのこと。じっとしているときでも消費されるもので、1日のエネルギー消費の6~7割を占めています。つまり、基礎代謝が高い人ほど太りにくく、ダイエットに有利になるのです。
基礎代謝は筋肉の量と関係しており、筋肉が多いほど基礎代謝は高くなります。しかし、朝ごはんを食べていないと、足りないエネルギーは筋肉を分解して補おうとするため、基礎代謝を下げてしまうのです。
とくに、夕食から朝食までは、ただでさえ時間の間隔が空いています。朝ごはんを食べないとさらに間隔が伸びて、エネルギー不足から筋肉の分解が進んでしまいます。基礎代謝を下げないために、朝ごはんを食べることは大切なことなのです。
血糖値の急上昇による脂肪の蓄積を防ぐ
朝ごはんを抜くと、空腹時間が長くなることで、食後の血糖値が上がりやすくなります。血糖値が急上昇すると、血糖値を下げようとインスリンが過剰に分泌され、その影響で体に脂肪がつきやすくなります。
朝ごはんを食べることは、食事の間隔を空けすぎないようにして血糖値の急上昇を防ぐことにつながります。それにより、体に脂肪がつきにくくなるという意味合いもあるのです。
腸内環境を整えて、肥満を防止する
肥満の人は、腸内環境が乱れていると考えられています。その原因のひとつに便秘があります。とくにダイエット中は、栄養バランスの偏りや食事の量が減ることで便秘になりやすくなっています。
朝ごはんを食べると便の量が増えたり、大腸の働きが活発になったりすることで、便秘の解消が期待できます。腸内環境を整えて肥満を防止するためにも、朝食はとったほうがよいと言えるでしょう。
体内時計をリセットして代謝を上げる
自律神経の乱れも肥満の原因になります。とくに女性は更年期以降、自律神経の働きが低下しやすくなります。若いころは自律神経がしっかり働いて、脂肪を燃やすホルモンが十分に分泌されますが、加齢でその機能が衰え、体に脂肪がたまりやすくなるのです。
朝ごはんを食べることは、体内時計をリセットして、自律神経を整えることにつながります。自律神経の働きがよくなり、代謝が上がれば、太りにくくなるのです。
今まで食べてない人が食べ始めても大丈夫
これまで朝ごはんを食べていなかった人が食べ始める場合、太るのではないかと心配になるかもしれません。でも、朝ごはんを抜いていたことによるデメリットを考えると、一概にそうとは言えません。
むしろ、食事は1日3食にして、それぞれの食事内容を見直すことで太りにくくなると言えます。
たとえば、昼食と夕食でとっていたカロリーを3回に分けて摂取するなど、1日の摂取カロリーの合計がこれまでを上回らないようにすれば、太るということはないと言えるでしょう。
ダイエット中の朝ごはんのポイント
朝ごはん習慣のない方は食べやすいものから
朝ごはんを食べる習慣がない人は、お腹が空かない、時間が取れないなど、始めにくいところもあるかもしれません。そのような場合、はじめから無理をせず、バナナやヨーグルトなど、食べやすいものから取り入れるのも1つです。
菓子パンやお枚シリアルは太る可能性が高い
手間がかからず簡単に食べられるからという理由で、菓子パンや甘いシリアルを朝食にとる人も少なくないようです。でも菓子パンは栄養が乏しいわりにカロリーが高いものが多く、あまりおすすめできません。
また砂糖をまぶしたシリアル(コーンフレーク)なども、カロリーが高くなりがちです。
パンやシリアルで朝食をとる場合は、余計な味付けをしていないものを選ぶようにしましょう。食物繊維が豊富な全粒粉パンやオートミールなどはダイエットにも向いていると言えます。
しっかり噛んでゆっくり食べる
早食いの人には肥満が多いと言われます。脳にある満腹中枢が「満腹である」と感じるまでには時間差があり、それまでに食べ過ぎてしまうのが原因の1つです。
それを防ぐには、よく噛んで食べること。そうすることで、食事の量が少なくても満腹のサインが脳に伝わり、食べ過ぎを防ぐことができます。
やわらかいものだと噛む回数が増えないので、食物繊維の多い食材を取り入れるなどで、よく噛んで、ゆっくり食べるようにしましょう。
食べる順番も工夫が必要
食後の血糖値が急上昇すると、脂肪をため込みやすく、太りやすい体になってしまいます。
それを防ぐには、食べる順番も大切になります。最初に「野菜・海藻」を食べ、つぎに「魚・肉」を食べ、「ご飯・パン」などの糖質は最後に食べるようにすると、血糖値の上昇をゆるやかにすることができます。
カロリーだけでなく栄養バランス全体を意識する
摂取カロリーが消費カロリーを上回ると、太ってしまいます。かといって、摂取カロリーが少なすぎると、体に必要な栄養素が足りず、健康に支障が出るだけではありません。
たとえ体重が減っても、筋肉も一緒に落ちてしまうため、基礎代謝が下がり、かえって太りやすい体になってしまいます。
食事は、筋肉のもとになるタンパク質をしっかりとりつつ、バランスよく食べることが大切になります。
ダイエット中の朝ごはんに摂取したい栄養素
ダイエット中でも栄養バランスには気をつけたいものです。ここでは、朝ごはんでとりたい栄養素や食材を紹介します。
タンパク質
筋肉が多い人ほど基礎代謝が高く、脂肪がつきにくくなります。そのため、ダイエット中も筋肉の材料となるタンパク質をしっかりとることが大切です。タンパク質は体内にためておくことができないため、1日3食のなかで均等にとる必要があります。
とくに睡眠中は新たなタンパク質が補給されないので、朝のタンパク質摂取はとても重要になります。朝食でもしっかりタンパク質をとるようにしましょう。
食材についてはできるだけ、高タンパク質・低カロリーのものを選ぶとよいでしょう。手軽にタンパク質を補えるプロテインもおすすめです。
食物繊維
穀類・野菜・海藻・キノコ・豆類などの食材に含まれる食物繊維も、ダイエット中に積極的にとりたい栄養素です。食物繊維には、海藻やこんにゃくなどに含まれる水溶性食物繊維と、豆類や野菜などに含まれる不溶性食物繊維があります。
水溶性食物繊維は糖質やコレステロールの吸収を緩やかにしてくれる効果があります。また、不溶性食物繊維を多く含む食品はよく噛まないと食べられないものが多いため、ゆっくり時間をかけて食べることにつながり、食べすぎを防ぐ効果が期待できます。
炭水化物
ダイエットで糖質制限をする人がいますが、炭水化物をまったくとらないのはおすすめできません。たしかに、とり過ぎると消費されなかった糖質が中性脂肪として体に蓄積され、肥満や生活習慣病の原因になります。
しかし、足りないとエネルギー不足による疲労感や集中力の低下、意識障害を起こすことにもつながってしまいます。
炭水化物をとる場合は、インスリンの過剰分泌による体脂肪の増加を防ぐために、血糖値が上がりにくい食材を選ぶようにしましょう。白米や食パンにくらべて、玄米やライ麦パン、そばなどは血糖値が上がりにくい食材になります。
ビタミン
タンパク質、炭水化物、脂質にビタミンとミネラルを加えて、五大栄養素と言います。
車にたとえると、タンパク質がボディ、炭水化物と脂質はガソリン、そしてビタミンやミネラルはオイルや潤滑油の役割と言えるでしょう。ビタミンは、体の機能を正常に保つため必要な栄養素ですが、体内で作ることがほとんどできません。そのため、食品から摂取する必要があるのです。
ダイエットでは、とくにビタミンB群が不足すると糖質がエネルギーに使われず、体に脂肪が蓄積されやすくなります。ダイエット効果を高めるためにも、しっかりとるようにしましょう。
ビタミンB群を多く含む食材には、豚肉、大豆、レバー、マグロ、カツオなどがあります。
まとめ
今回は朝ごはんを食べるメリットや朝ごはんを食べる時のポイント、ダイエット中の朝ごはんに摂取して欲しい栄養素を紹介していきました。
朝ごはんを食べるメリットは多くあり、肥満の防止や代謝を上げることにも繋がります。
食べていない方は一度試して、既に食べている方は改善してみてください。